門型の家
敷地は細長く奥にのびる。敷地の「崖」という特長、施主の要望から主な構造体をコンクリート造とし、そこへ木造の自由度を付加していく。コンクリートの門型フレームを4本据えて主構造とし、このフレームによって生まれるハイサイドから光を取り込み、上昇する風を発生させて夏場の冷房使用を最小限に抑える。壁は吸湿効果をもつ大谷石を組積した。厚みのある無垢の石は環境の面、質感、そして存在感によって住まう人に安心感をもたらし、時間の経過に従ってこの家に深みと重みとを与えてくれるだろう。いまは法規が変わってしまったが、木造は柱と梁が主要構造であり、壁は自由に取り払えることが特長のひとつであった。建物に住まう家族の形は変化していく。近い将来、子どもたちはこの家を離れるだろう。夫婦は大きな空間で過ごしたくなるかもしれない。あるいは小さく住みたくなるかもしれない。門型のフレームは家族の軌跡を残しつつ、家族の変化を許容してくれるだろう。(住宅特集2007年9月号より抜粋)
Design: 眞田大輔 / 丸山哲生
Structure: 名和研二(なわけんジム) / 皆川宗浩
Land: 神奈川・横浜
Client: 個人
Construction: 小松建設 新昌伸
Lighting: 三島立起(FDS)
竣工年月日: 2007年04月
用途: 個人住宅
構造・構法 :鉄骨コンクリート造一部木造
基礎: ベタ基礎
階数: 地上2階
敷地面積: 255.67
建築面積: 81.81
延床面積: 159.23(48.25坪)