XYL
敷地は静岡県浜松市内の佐鳴湖から少し上の周囲を緑に囲まれた丘の上である。気候については、一年の平均気温は約16度、比較的降水量も多く、特に冬場に強風が吹く地域である。地質は粘性細土で、水はけが良い。XYLは地元産の檜を使用した、幼児から小学生までの学習机を主に販売している家具ブランドである。建物外装には、訪れる人が一目で取り扱う製品をイメージできるよう木材を多く使用し、反対に室内では、展示された木製家具に対し無機質なコンクリート素材によってインテリアと商品が対照をなすよう考慮した。構造は、一層分の門型コンクリートが8基、等間隔に配置し、その上部に鉄骨のフレームを固定している。鉄骨の梁には@455にて木造の床根太と屋根垂木を架け渡し床と屋根を形成している。外観を特徴づけるバタフライ屋根には幅広の横樋、両サイドには大口径のステンレス製の縦樋を配している。これは、強風時に周囲の森から飛んでくる木の葉がつまらないよう配慮したものである。周辺環境と気候条件から導きだした機能が建物のシンボルとしてこの建築に個性を与えることとなった。
Design: 眞田大輔 / 佐藤尚子
Structure: 相原俊弘(SDG) / ド グェン トアン(SDG)
名和研二(なわけんジム)
Equipment: 山田浩幸(YMO)
Land: 静岡・浜松
Client: 株式会社 キシル
Construction: 株式会社 中村組
Lighting: 三島立起(FDS)
竣工年月日: 2011年09月
用途: 物販店舗・オフィス併設
構造・構法: 1階 RC造 2階 鉄骨+木造
基礎: ベタ基礎
階数: 地上2階
敷地面積: 1514.83
建築面積: 384.22(116.44坪)
延床面積: 383.55(116.22坪)