計画地は杉並区の閑静な住宅街にある。周囲を住宅に囲まれた狭小地で、敷地はレベル差をもつ台形の23坪と、敷地奥の折れ曲がった7坪の土地から成る。初めて敷地を訪れた際、この小さな7坪の空き地が建物へ陽の光と風通しを導くものとなり、また、周囲の住宅にとっても居心地の良いヴォイドとなると感じた。住宅の居間から庭となった空地に向けデッキを延ばし、吹き抜けをもつ居間へと外部の気配を導く。2階の各居室は居間の吹き抜けとキッチンの吹き抜けを介してステップフロアで繋がれる。天井高さの変化と上下の視線をダイナミックに変化させることで、空間に奥行きと解放性が生まれることとなった。2つの吹き抜けを介して庭の気配を室内の隅々へ連続させ、外(自然)と内(生活)との一体感を感じ、快適な日常を過ごせる空間を都市の狭小地に生み出すことができたのではないだろうか。.....................<構 造>計画で採用した木質スラブは「多摩産材モデルハウス」設計の際に開発した構法である。国産材の利用拡大を目指したものであり、構成は120x120と90x90の柱材を組み合わせたものとなっている。無垢の材が剥き出しになることで、陰影と質実、杉の温かみが空間に広がる。計画地は奥に進むにつれ狭まる巾の狭い台形型のため、梁方向に壁を設けると動線と視線を塞ぎ、空間に閉塞感を与えると考え、建物中間部にRC壁を設け、風圧と地震力を負担させ、袖壁のない一体感のある空間を実現した。屋根は、敷地奥に向かって上昇し、台形によって変形する壁に沿って立ち上がることによりHPシェル形状となっている。

Design:
眞田大輔
福田善成
Structure:
名和研二
荒木康佑
Land:
東京・杉並
Client:
個人
Construction:
有限会社坂本建築
竣工年月日:
2016年6月
用途:
専用住宅
構造・構法:
木造
規 模
階数:
地上2階
敷地面積:
100.03
建築面積:
39.82
延床面積:
87.75