計画は、施主が父から譲り受けた住宅を新たに作り直すもの。長年住み慣れた地であり、良好な近所付き合いもあり、一度は都内に住もうかと考えた施主もこの地に新たな住居を建てることに決めた。また、ハワイアンカヌーを愛する施主が、海に近いこの地に居を構えるのは必然だったとも思う。建物をイメージするにあたり、施主の人となり、鎌倉の開放的な雰囲気と気候から吹き抜けの大きな1ルームがイメージされた。冬も割合温暖な地域の故、角度の低い冬の日射(ダイレクトゲイン)を積極的に取り込めば大げさな暖房装置を設ける必要がないと考えたが、夏には直射日光を遮らなければならない。そこで、庇を1.8m飛び出させ夏の強い陽射しをカットしている。縁側の天井はそのまま室内に入り込むことで、リビングと縁側、庭とが連続するよう考えた。来客が多く、しばしば開くパーティーの際、内外が連続する空間は使い勝手も良いとのことである。1階には施主たっての希望である「お籠り部屋」を設けた。日常にはハレトケが必要である。吹き抜けの「ハレ」な空間と天井高さを抑えたお籠り部屋「ケ」が同一空間に存在することで、日常にちょっとした心の隙間を物理的に持てることが生活の豊かさにつながると、計画を通じ改めて感じる事ができた。

Design:
眞田大輔
佐藤尚子
Structure:
名和研二
Land:
神奈川・鎌倉
Client:
個人
Construction:
石和建設株式会社
竣工年月日:
2014年8月
用途:
専用住宅
構造・構法:
木造
基礎:
ベタ基礎
規 模
階数:
地上2階
敷地面積:
263.49(79.84坪)
建築面積:
99.37(30.11坪)
延床面積:
90.27(27.35坪)