築40年を経た木造で作られた既存店の老朽化にともなう新築計画である。敷地は、鎌倉由比ガ浜の長谷寺に通じる参道の商店街に位置する。計画は、本革で作られた鞄が引き立ち、永い間親しまれてきた木造建築の温かみのある雰囲気と古都鎌倉の持つ質実剛健でありながら秩序をともなった繊細美を表現するよう考慮した。 敷地は南北に細長い。鞄に使われている革の質、色を確認するには天然光が好ましい。しかし、太陽光が商品に直接あたってしまうと劣化が進むため、敷地の特徴を生かし、北側に高窓を連続して2カ所設けて北側の間接光を室内に取り入れている。また、この高窓を夏期に開くことによって、1階部分との温度差による重力換気を行い、下階に溜まってしまう冷気を緩やかに上昇させるよう考慮している。 主構造である大断面の集成材で作られた2層分の木造門型フレームが6つ、等間隔で配置され、中央部の4つのフレームは高窓設置のため、周囲よりも1.5m持ち上げられている。大断面の木造門型フレームが室内にあらわれることで、力強さと秩序を空間にもたらし、武家が育んだ鎌倉の美に近づくことができれば本望である。

Design:
眞田大輔
名和研二
丸山哲生
Structure:
皆川宗浩
Land:
神奈川・鎌倉
Client:
株式会社土屋鞄製造所
Construction:
株式会社石和建設/内装・篠木淳(フラップクリエイツ)
Lighting:
八木美鈴(ミューズ・ディ)
竣工年月日:
2012年4月
用途:
店舗ビル・物販店舗
構造・構法:
木造
規 模
階数:
地上2階
敷地面積:
124.47
建築面積:
85.70(25.96坪)
延床面積:
154.76(46.89坪)