初老の夫婦、終の生活の場である。道路幅員2m程度の道の奥、上方は高台の法面にしか見えない2割の平地。まさに残ってしまったというべき高低差10mにおよぶ崖地への建築。後方の敷地擁壁からの制約35度擁壁の建設の義務、安全面と予算面から、「敷地を可能な限りさわらない」この一点を守ることに徹した。まず上方、垂直に建てることに適したRC造で箱をつくり、下方の擁壁、玄関、EVシャフトをRC造でつくる。この上下の二つのRCをS造で水平につなぎ、居住スペースとする。ラフターの打設は敷地外部から可能な埋め込みの杭支持のみにし、建設方法、架構、材料を同時に配慮。結果、この家は最初からそこに存在していたかのように現れた。厳しい建築行為の後、現在あたりまえのように営まれている生活、穏やかな時間が不思議に思える。

Design:
眞田大輔
藤原英祐
Structure:
名和研二
渡邊英
Land:
東京・目黒
Client:
個人
Construction:
大同ハウジング
Lighting:
三島立起(FDS)
竣工年月日:
2006年10月
用途:
個人住宅
構造・構法:
鉄骨コンクリート造一部鉄骨造
基礎:
杭基礎
規 模
階数:
地下1階地上3階
敷地面積:
115.08
建築面積:
68.81
延床面積:
136.88(41.47坪)